時価総額約10億円、無線通信機器向け高周波回路素子などが
柱で、携帯中継基地局の部品の製造販売行っている非常に地
味な企業である。業績も振るわず、第2四半期決算は、売上
高5億8400万円、経常損失8400万円、純損失1億6900万円であ
る。
本業の拡大が見込めないと判断したのか、本年2月にパームカ
ーネルシェル(PKS)の販売事業と、バイオマスボイラーの
共同設置事業という環境分野へ進出している。売上高100万円、
損失1300万円と、まだまだ事業と呼べる規模には至っていない
が、その将来性を高らかに謳うがごとく、リリースを連発して
いる。そのリリースを何度も読んでみるが、実態が良く解らな
い事業ではあるのだが。
しかし、この会社ほど、実質オーナーの不正蓄財を、何度も報
道される上場企業は、珍しいだろう。上位3者の株主は、カタ
カナの名義代理人であるが、実質は、第5位のM氏と言われて
いる。M氏は、東証2部の投資会社「ジェイ・ブリッジ」(東
の元社長で、シンガポール在住。現地に豪邸を持ち、09年国際
建築賞の最優秀デザイン部門で優勝し、観光名所になっている
ほどの堂々たる邸宅である。また、都内港区の高級マンション
も保有しているという。
M氏は、ジェイブリッジの社長時代、医療再生ファンドを立ち
上げたが、不正資金流出疑惑が発生、また競輪施設賃貸事業を
巡るファンドの資金流出疑惑で、このファンドに投資していた
海外ファンドから訴訟を起されているという。資金がどこに
流出したのか、未だ不明であるとのことである。投資家には
顔が向いていない経営者なのであろう。
ホームページを見ると、「反社会的勢力に対する基本方針」を
掲げ、「一切の関係を持ちません」と謳っているが、オーナー
が反社会的勢力なのだから、非常に程度の悪い冗談としか思え
ない。しかもオーナーと同じ証券会社出身の現社長が、M&A
の仲介業務を平然と行っており、上場企業のM&A案件を持ち
まわっており、高額な報酬を要求すると言われている。大阪証
券取引所は、どのような監督、指導を行っているのであろうか。
見解を聞いてみたいものである。