鳥越製粉「2009」
鳥越製粉は、創業1935年、2010年の売上高239億円、
経常利益24億円の福岡の名門企業である。ちなみに、ジャー
ナリストの鳥越俊太郎氏は、同社の創業者一族出身である。
同社が、本年1月1日に吸収合併した完全子会社の寺彦製粉に
外資系ファンドからクレームを株主から買取請求受けている。
・買取請求株主数 2名
・買取請求日 平成22 年12 月27 日及び同年12 月29 日
・買取請求株式数 2,729,100 株(平成22 年12 月末
 発行済株式の10.48%)
買取請求者は、オー・シー・エム・オポチュニティーズ・ファ
ンド・ファイブ・エルピー 5.75%所有と、オークツリー・ジ
ャパン・オポチュニティーズ・ファンド・エルピー 6.61%所
有である。本件は、会社法797条第一項により買取請求され
ている。買取価格及び支払い時期は、協議を経て決定されると
されている。
●会社法797条第一項(反対株主の株式買取請求)
吸収合併等をする場合には、反対株主は、存続株式会社等に対
し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求する
ことができる。
同社の最近の業績の好調さは、同社が白い鯛焼きブームを作った
製粉会社であることもあり、ブームに乗って業績が急拡大した。
2004年から2006年にかけて同社株は急騰しているが、仕
手が入っていた模様である。その結果横文字のハゲタカが株主に
登場した。10%超の保有株を市場に放出して売却したら、株価
は暴落するのは明白であるので、ハゲタカは絶好の機会と判断し
て、いちゃもんをつけて買い取らせようとしているのだろう。
買取資金は、19億円以上を要するので、会社側も苦労している
はずである。みのもんた氏同様、有名人の一族企業であり、鳥越
氏は、援軍を送るのであろうか。