今年の1月4日に電撃的に発表された米ワーナー・ブラザースによるHD DVD支持から、ブルレイ単独支持への路線変更は、ソニーによる最大4億ドル(約440億円)の報奨金(Rewards)の見返りに決定されたものらしいことが20日、カナダのグローバル・アンド・メイル紙の報道によって明らかとなった。
 ワーナー・ブラザースによるこの発表をきっかけにして、米流通大手の間でも次々にブルレイ支持を打ち出すところが増え、2月19日には終に、HD DVD陣営の旗振り役を務めてきた東芝によるHD DVDからの撤退宣言にもつながった。東芝によるHD DVDからの撤退は最終的には4億ドルを支払うというこのソニーによる決断によって起因していたこととなる。
 ただし、今のところソニーとワーナー・ブラザースの両社ともにこの巨額の費用の授受が取り決められたということは否定している。【Technobahn】
企業は金に転ぶ。商品云々では無いことは大人なら分かっているはずだ。
企業理念を上場各社は掲げるが、果たしてその理念通りに事業を行なっているのだろうか。
このHD DVDとブルレイの戦いは昔のベータとVHSを思い出す。企業は新製品の開発競争にしのぎを削ると同時に、自社製品の規格を世界標準にすることに躍起になっている。世界標準になれば莫大な利益が約束される一方、いくら技術的に優れていても世界標準にならなければ開発費すらペイできない運命が待っている。よりコンパクトでより高性能のベータ方式が劣勢を意識した他社の総連合によって葬り去られた。ベータのソニーはその後会社そのものが低迷することになってしまった。しかし、一転これでソニーは勝利した。ちなみにソニーの理念は「新しい感動、体験、インタラクティブメディア」である。まさにインタラクティブ。双方向性(金=規格取得)だ。