現在、株価が100円未満となっている企業は80社にのぼる。

株価が100円を下回ると、企業の時価総額が小さくなり、投資家や金融機関からは資金調達の面で敬遠されがちだ。また、「継続企業の前提に関する疑義注記」が付されるケースも多く見られる。

そのため、こうした企業の適時開示を読み解き、「何か問題があったのではないか?」と考える姿勢は、企業分析を投資に活かすうえで重要だ。

今回は、株価が100円未満となっている企業のひとつ、「ストリーム」の適時開示を見ていきたい。

【2025年3月14日】

「特別損失の計上及び通期連結業績予想と実績値との差異に関するお知らせ」

この開示によると、ストリームの連結子会社である「エックスワン」において債権の回収可能性を検討した結果、貸倒引当金繰入額として1億6,400万円を特別損失に計上するとともに、実質価額が著しく下落した出資金についても1,600万円の出資金評価損を特別損失に計上したとされている。

また、エックスワンとストリームの代表取締役はいずれも齊藤勝久氏である点にも注目したい。

【2025年3月21日】

「代表取締役の異動及び役員の異動に関するお知らせ」

その1週間後に発表されたのが、経営陣の異動に関する開示だ。

内容としては、ストリームの齊藤勝久氏が代表取締役を退任して取締役に異動し、代わって右田哲也氏が取締役から代表取締役に就任する予定であるというもの。

異動の理由については「新たな経営体制に移行するため」と説明されているが、右田氏もエックスワンの取締役であることから、実質的には「エックスワン体制」の継続であり、真の意味での「新体制」とは言い難い。

また、親会社の代表取締役が連結子会社の代表取締役でもある状況で、子会社の債権に関連して特別損失を計上するという対応には、ガバナンス上の問題を感じざるを得ない。