武富士創業家を一斉提訴へ
過払い債権者が賠償求め
昨年9月に経営破綻した消費者金融「武富士」に利息を払い過
ぎた債権者が、破綻で過払い金相当額の返還を受けられなく
なったとして、創業者の故武井保雄元会長の妻や長男、次男ら
に損害賠償を求め、30日に一斉提訴する方針を決めたことが
判明した。債権者の代理人弁護士らでつくる「武富士の責任を
追及する全国会議」が明らかにしたものである。同会議による
と、16日現在、提訴を決めた債権者は約700人、請求総額
は7億円を超えた。提訴先は宇都宮、さいたま、東京、新潟、
静岡、名古屋、広島、熊本の各地裁で検討中であり、30日ま
でにさらに拡大する見込み。
経営破綻した武富士であるが、5月支援スポンサーに韓国の
同業大手、A&Pファイナンシャルが決まっていた。破綻原因
となった契約者への過払い利息の返還から開放され、身軽に
なった武富士を買収し、そのブランド力を生かし日本市場に進
出する方針。
消費者金融業界をリードし、一時は銀行を凌駕した武富士であ
ったが、カリスマ武井保雄氏の死後、5年にして、寂しい結末を
迎えるに至ったようである。