自動車部品など機械の回転部分に組み込まれるベアリング(軸
受け)の販売を巡り、価格カルテルを結んでいた疑いが強まった
として、公正取引委員会は26日、独占禁止法違反(不当な取引
制限)容疑で、上場企業の日本精工(東京)、NTN(大阪市)、
ジェイテクト(名古屋市)、不二越(富山市)の大手軸受けメーカ
ー4社の本社や営業所など約20カ所を強制調査した。 市場規
模は約4000億円と、これまでに公取委が調査対象とした中
では最大規模という。4社で市場シェアの約8割を占めており、
公取委は国民生活に大きな影響を及ぼしかねない悪質なカル
テルと判断、刑事告発を視野に強制調査に踏み切った。
機械部品のベアリング(軸受け)を巡る価格カルテル容疑事件
で、大手メーカー4社が話し合って規格ごとに価格を決め、それ
ぞれ「定価表」を作成していた疑いがあることが判明した。定価表
は基本的に毎年改定されるが、価格は各社ともほぼ共通になって
いた。ここ数年、各社とも5%程度の値上げが続いたという。
定価表は、数千品目に及ぶベアリングの価格が一覧できるように
なっている。卸売業者によると、この表がもとになり、取引価格が
決まっていたという。