豊洲市場の盛り土問題だが、結局お茶を濁して終わりとなる模様だ。小池都知事には少し期待したのだが、大本営の黒幕(仕切り役)は出なかった。黒幕なくして、小役人が悪さをするはずがない。日経電子版によると、地下空間の建設を決めた責任者について、当時の中央卸売市場長だった中西充副知事や担当部長ら10人程度に絞り込む方向で調整していると報じた。小池都知事は、11月1日に臨時会見を開き、第2次の内部検証報告書を公表するとしている。

11月号のFACTAに「東京都利権に黒幕五奉行」という記事がある。豊洲問題は、「談合がないこと」を証明する方が難しいと報じている。筆者も同感である。FACTAによれば、土壌汚染対策工事において、3街区を受注した鹿島JV、清水JV、大成JVが、同じ街区の本体施設工事(14年2月入札)をスライド受注した。落札率が、全て99%以上と限りなく100%に近い落札率であり、予定価格を知らなければあり得ないとしている。これは、正に談合である。

筆者は、入札に詳しい。99%の落札率でゼネコンが平気で入札するには訳がある。黒幕(仕切り役)の存在である。黒幕がいるから、安心して99%以上の落札率で札を入れる。これを筆者は、悪事の共有と呼ぶ。悪事を共有したものどうし、互いに語れないということだ。考えても見てほしい、入札率99%以上ということがあるのか?ゼネコンの千里眼か、又は談合か、はたまた”官製談合”のいずれかしかないのである。

悪事を共有した黒幕は豊洲問題では尻尾を掴ませなかったが、(バレていても関係ない)役人はトンだ役回りである。いずれにしても血税であることだけは確かなことだ。