東洋インキSCホールディングスの連結子会社「TOYO INK COMPOUNDS CORP.」(フィリピン共和国)において、フィリピン人社員による不適切な会計処理が行われたようだ。この問題について、同社は特別調査委員会を設置したと発表。

上記の内容はフィリピンの現地銀行と融資の相談を進めていたところ、認識していない同銀行からの借入の存在が発覚したとしている。このような問題が発生した場合、軽微であっても決算の修正が必ず行われる。

四半期決算によれば、第2四半期の連結経常利益は前年同月比、16.6%減となっている。通期計画の180億円に対する進捗率は34.9%にとどまり、さらに前年同期の48.6%も下回っている。

直近3ヶ月の実績は、連結経常利益ベースで前年同期比20.2%減の32.6億円に減り、売上営業利益率は前年同期の5.4%から4.7%に悪化している。悪化傾向にある決算内容から、この問題による決算の修正が行われると、株価に影響するのは必至である。

今回の問題は認識していない借入が存在しただけであり、軽微のものと思われるが、類似する問題が発生した場合、最悪の状況も想定して対処しなければならない。また、上場企業として徹底した管理を行うよう厳重な注意が必要だ。

昨今は、モノ言う株主が非常に注目を浴びている。このような時代においては、少しの間違った経営の舵取りが最悪の状況を作り出すこともある。株価こそが、株主の利益であることは言うまでもない。