イマージュ(9947) MBOで非上場化1株314円
通販準大手のイマージュホールディングスは、7日開催の取締
役会において、マネジメント・バイアウト(MBO)の一環と
して行われるTKMホールディングスによる普通株式及び新株
予約権に対する公開買付けに賛同の意見を表明し、株主への公
開買付けへの応募推奨を決議した。買付け期間は11日から2
月22日までの30営業日、買付け価格は普通株式1株314
円、新株予約権1個1円、買付代金は4,414百万円。
7日付で相談役の南保氏ら保有の33.05分%は公開買付応
募等同意書を締結している。イマージュ株式は、一連の手続き
を経て上場廃止となる予定である。
みずほグループのMBOファンドの支援を受けて非上場化し、
短期的な業績の変動に囚われず、中長期的かつ持続的な成長の
ための抜本的な事業再構築を実施する方針である。
同社については、オーナー創業者の南保氏が、2006年に
インサイダー取引で告発された。当時、東証1部の上場企業
現役社長がインサイダー取引で告発されるのは異例として注目
を集めた。
南保正義社長(当時)は、東証1部に上場していたキャビン
(東京・千代田)と大和証券エスエムビーシープリンシパル
・インベストメンツが06年4月19日に業務提携を解消する
と発表する以前に、大和エスエムビーシープリンシパル・イン
ベストメンツの役員から情報を得て、キャビン株50万株を
06年4月6日―11日の間に計約2億4800万円で、自ら
が実質的に経営する資産管理会社「ジャスティス」を通じて買い
付けた。
2009年7月8日、高松地裁の判決公判が開かれ、南保被告に
懲役2年6月、執行猶予4年、罰金100万円(求刑懲役2年
6月、罰金100万円)、「ジャスティス」には求刑通り罰金
200万円、また同社と同被告にも求刑通り合わせて追徴金計
3億5500万円を言い渡された。この後、南保氏はイマージ
ュの経営から離れ、イマージュは、新たな株主を探していたとも
言われていた。
南保正義氏と「ジャスティス」は、名前と正反対の「不正義」、
不正によって刑事告発され、司法の断を下され、自らが創業した
会社を追われたのである。まさに、オーナー経営者の奢りと驕慢
による結果と言わざるを得ない。他の上場企業のオーナー経営者
は「他山の石」とすべきであると指摘したい。