携帯「無料」ゲームのトラブル急増実態 
「無料」とうたった携帯電話のゲームサイトをめぐるトラブル
が急増している。「子供に使わせたら高額な利用料を請求され
た」という親からの相談が目立っているという。
今春、都内に住む20代の女性は携帯電話会社からの請求額に
驚いた。「無料」だったはずが、請求金額は約3万円に上って
いた。仕事が忙しかった女性は、小学校低学年の息子を携帯電
話の無料ゲームで遊ばせていた。ところが、ゲームで使用する
特別アイテム(道具)を得るためのくじは1回300円と有料。
夢中になった息子は十数日間で100回近く有料くじを購入し
ていた。思わぬ請求に女性はゲームサイトの運営会社と交渉し
たが、運営会社は「子供のせいにしている」と反論し、減額に
応じなかった。
携帯電話とパソコンの「無料オンラインゲーム」をめぐるトラ
ブルの相談件数は、統計を取り始めた平成21年度は555件。
22年度も12月14日時点で407件とすでに前年同期を
106件上回っているという。相談者の請求額の平均は
約9万5千円にも上るという。
また、21年度にアイテム購入などの有料契約を結んだ当事者
を年代別でみると、最多が10代の165件。30代が124
件、20代が82件と続き、10歳未満も39件あった。
約15万円を請求されたという40代の母親からは「小学生の
息子は無料と思い、私も支払い時は規制がかかると思っていた」
との相談が寄せられるなど、無料と思い込んでいたケースが大
半を占めるという。
相談者がたらい回しにされるという問題も発生している。携帯
電話会社は「収納代行をしているだけ」、サイト運営会社は
「ゲームの場を貸しているだけ」、ゲーム製作会社は「ゲーム
を作っているだけ」と応じ、責任回避をするという。トラブル
が増加するなか、大手ゲームサイト運営会社のグリーは一部の
CMで「無料」という音声を取りやめた。 総務省の調査では、
21年の携帯電話ゲーム市場は884億円で前年比1・7%増
とほぼ横ばいだが、ゲーム内などのアイテムやキャラクター販
売市場は447億円で184・7%増と急拡大している。
DeNAの独占禁止法違反容疑報道もあったが、業績好調すぎ
ることで、自制を無くしている点については、注意を喚起した
い。
る。