不正会計3題
●大和ハウス(1925)子会社11年以上にわたり不正会計
大和ハウス工業は28日、100%子会社の大和リース
株式会社で不適切な会計処理が2010年9月末まで11年
以上にわたって行われていたと発表。
自動車リースを担当する部署(オート&リーシング事業部)に
おいて、自動車税や自賠責保険料などの諸費用を支払時に
「前払費用」に計上し、決算時に「売上原価」に振替えるとこ
ろを、この「売上原価」への振替を適時適切に処理出来ていな
い状態が続いていた。この処理は、もともと同社本社経理部で
はなくオート&リーシング事業部内で経理処理していたようで
あるが、これを昨年5月より本社経理部で管轄するように変
更したところ、本社経理部で不審を抱き、不正の発覚に気が
付いた。他の事業部等との人事交流もなく、オート&リーシン
グ事業部長からの原価低減等の目標達成の圧力が強く、
「経理担当が異論をはさめる状況ではなかった」とのことで
あるが、オート&リーシング事業部の経理担当者は、以前から
不正を認識しており、さらにそれを是正したいという思いが
あったが、11年以上にわたって不正が継続していた。
●林兼産業(2286)  水産事業部門で架空取引
食肉製造業の林兼産業(東証一部、2286) の水産営業部
門において、従業員が取引先と架空取引を繰り返し、同社から
約500万を詐取した模様。取引先に架空の運送料の支払いが
行われ、この従業員がその一部を受け取っていた疑いがあった。
監督すべき役職員が本件取引に係る事実関係を認識せず、不適
切な処理が行われていた。内部統制の不備が指摘されている。
●ポプラ(7601) 子会社不正による損失が膨らむ
子会社の不適切な棚卸資産の計上が発覚し、発生経緯等調査中
につき四半期報告書の提出が遅延すると発表したコンビニの
ポプラ(7601)は、さらに提出が遅延すると発表。
当初は約30百万円と公表していたが、影響が過年度に渡る
ことが判明し、5期累計の当期純利益影響額は約129百万円
となった。企業再編に繋がる可能性もあると指摘したい。
前第三四半期の純利益が75百万円、期末業績予想が165百万
円であるので、129百万円の損失は、かなりの痛手になると
予想される。