東京電力の大株主である第一生命が、東京電力株の減損処理に
より約1,000億円の損失を計上する。
第一生命保険は保有する東京電力株の下落に伴い、減損処理で
2011年3月期に約1000億円の損失を計上する方針を
固めた。同社は東電株を4%保有する事実上の筆頭株主。
東電株下落の減損処理額では最大規模になる。連結最終損益は
500億円の黒字予想から下方修正するが、内部留保を取り崩して
対応し、黒字は確保する。
東電株は東日本大震災による原子力発電所事故の影響で急落。
今年3月末までの1年間で81%下げた。第一生命は保有株の会計
処理について月中平均の株価を採用している。東電株の3月の
平均株価は約1400円で、当初は前期での減損計上は見送る方針
だった。しかし、3月末の株価は466円まで下がり、乖離が大きい
ことから、株価回復の可能性をより厳しく判断した。
東電株を巡っては、取引先の主要金融機関が相次いで前期で減損
処理をする方針。三井住友フィナンシャルグループ(FG)は800億円
強、みずほFGは500億円前後、三菱UFJFGは300億円前後の損失
を計上する模様である。