元社員の巨額詐欺事件「使用者責任」
東芝元社員らによる巨額詐欺事件をめぐり、元社員らが主導し
た架空取引で損害を受けたとして、東京都内の取引先2社が
東芝と関連会社4社に計約113億円の損害賠償を求めた訴
訟の判決が20日、東京地裁であった。白井幸夫裁判長は
「元社員の不法行為すべてについて使用者責任を負う」として、
計約58億円の支払いを命じた。巨額詐欺事件では、コンピュ
ーターソフトの使用権購入を装い、リース会社から現金をだま
し取ったなどとして、東芝の元課長級社員の男ら4人が平成
19年に詐欺罪などで起訴され、いずれも有罪判決を受けてい
た。東芝側は架空取引の一部について「元社員は関連会社に移
籍後で、使用関係はなかった」などと主張したが、東京地裁は
「東芝は関連会社に支配力を及ぼす立場にあり、元社員は移籍
後も東芝の業務に関与していた」と認定し、元社員に対する
東芝側の使用者責任を認めた。