17日の適時開示にはこれという開示は見当たらなかったが、週刊金曜日が報じているNTT騒動が興味深い。
NTTドコモを恐喝したとして元暴力団幹部で経営コンサルタントの鴻池宗一容疑者が逮捕された。だが実は、ドコモは昨年まで鴻池容疑者が関係する企業と巨額の取引きをしており、両者は良好な関係にあった。事件の背後にNTTの「闇」が透けてみえる。
 報道によれば、鴻池容疑者は九月にドコモを訪れ、過去の不祥事を明らかにすることをほのめかして金品を要求した容疑がかけられているが、本人は「会社には行ったが脅していないし、金も要求していない」と否認しているという。
 実は、鴻池容疑者は逮捕前、「真実を報じてほしい」と、こんな話を筆者に打ち明けていた。
「ドコモなどNTTグループから、私が仲介して外部の企業に出ていた“仕事”の総額は一〇〇億円以上になる。私はその何パーセントかを受け取っていた」
 調査によると、鴻池容疑者が業務委託契約を結ぶ広告代理店などに、NTTグループから億単位の発注があったことは間違いない。
 それが昨年夏、鴻池容疑者はNTTと関係の深いビックカメラでテレビを購入した際、詳しい説明もないままにNTT関連の複数の契約を結ばされているという事態に陥った。そのためビックカメラやNTTコミュニケーションズなどに「不適切な営業はやめろ」と抗議。だが、NTT側から「問題はなかった」と突っぱねられたため、昨年末からはNTTとの仕事上の関係を自ら絶って抗議を続けてきたという。
 調査したところ、ビックカメラとの問題は鴻池容疑者に限らず、ほかにも多数の顧客が同様なトラブルに巻き込まれていることが分かった(本誌九月二日号参照)。つまり鴻池容疑者の抗議は、根も葉もない「脅し」ではなかった。
 ビックカメラは、NTTの元社長で今もNTT特別顧問の児島仁氏を社外取締役とするなど、NTTとの関係が深く、両者が問題を黙殺しているようにもみえる。
 一方、鴻池容疑者とドコモとの接点は一〇年以上前に遡り、以前の関係者などにも取材をすると、ドコモはかつて鴻池容疑者に、表沙汰にしにくいトラブルの処理などを依頼し、その見返りに「仕事を出した」(ドコモ関係者)ことがあったという。
 鴻池容疑者は約二〇年前に暴力団を辞めているが、「自分のような人間がこんなことをしていると、普通は逮捕されないことで逮捕される可能性もある」とも話していた。実際、二〇〇八年にも別の企業から金を脅し取ろうとしたとして逮捕されたが、その事件は結局、被害者の言い分がでたらめで、鴻池容疑者は嫌疑不十分で釈放されている。
 別の見方をすると、三年前にも暴力団関係者として逮捕された鴻池容疑者に、ドコモは以後も仕事を出していた。ドコモは鴻池容疑者を、まともなビジネスパートナーとして高く評価していたのか、それともよほどの弱みを握られているのか……。
 そして、「私はウソで(NTTに)言うことを聞かせようとはしていない」と訴えていた鴻池容疑者の行動は、自分とNTTとの関係が、協力や信頼で成り立ってきたのか、NTTが問題を隠すためのものだったのか、明確にさせようとしているようにもみえる。
 NTT各社は、鴻池容疑者との関係を問うと「個別の取引きについてお答えできない」などと説明を避けていたが、両者の関係は、さらに過去へと遡り、不可解な部分も多い。
 今回の逮捕が、単純な恐喝事件でないことは間違いなく、捜査の行方によってはNTTの闇が、さらに明らかになる可能性がある。(週刊金曜日編集部)
企業の裏側が透けて見える。裏で起きる数々のトラブル。必ずこれを処理するものが現れる。どこの企業も一緒だ。あきれるほかない。
正しい顧客サービスと企業運営を強固に実施していれば、〇暴に事を依頼するようなトラブルは起こらない。これが普通の正しい企業運営のあるべき姿だ。
しかし、残念ながら企業は正しい企業運営をしていない。必ずそこには法的にギリギリの取引、または付き合い上の取引、一部の人間への利得を導く為の取引など企業間で交わされる様々な取引が後の命取りとなる。
取引でうまく回っている場合は問題が起こらないが、このような取引は必ず相手側の事情でどうにでも変わるものだ。自己中心の煩悩がそうさせる。
そこでトラブルの発生と相成る。自社でどうあがいても処理出来ない事を他者に頼る。この事がまた他の者に伝わる。そして情報を仕入れた〇暴関係者が会社にやってくる。ここでも屈する。不正のスパイラルに突入というわけだ。そして新たな不正取引の開始・・・。不正の連鎖。
永遠と続いてきた企業の不正。今後もなくなる事はないと断言する。人という煩悩の塊が世を動かしている。邪な考えが常に頭を擡げる。出世、金、利権の為に奔走し暴走する愚かな経営陣たち。その煩悩を断ち切る事は不可能だ。
欲が支配するこの世の中で出世の街道に乗ったものは必ず不正に手を染める。人を蹴落とし、人を嵌め自身の栄達の為なら何をも厭わない。哀れで悲しい現実。
NTT、国の仕事だったはず。民間になってもその官僚体質に変わりは無かったという事だ。栄達の為には・・・。