しゃぶしゃぶ店「木曽路」を全国展開する木曽路は8月14日、大阪市と神戸市、愛知県刈谷市の3店舗で今年7月までに、メニューの一部に松阪牛や佐賀牛と表示しながら、別の安い和牛を計7171食提供していた事が発覚。その後、木曽路社長、松原秀樹氏は三重県松坂市長に謝罪を申し入れ、市長からは「安全で高品質なブランドを守ってきた肥育農家や関係者の努力に背を向ける行為」とし、徹底した原因究明を求められた。また、10月15日には消費者庁から措置命令を受けている。

そしてこの度、村田正人弁護士(三重弁護士会)が10月27日、不正競争防止法違反(誤認惹起〈じゃっき〉)の疑いで大阪府警告発状を出したと発表した。告発状によると、大阪市北区北新地店で2012年4月~14年7月、和牛を松阪牛と偽って計約6900食を客に出した疑いがあるとしている。告発対象は法人としての木曽路と、偽った料理が提供された時期に料理長だった2人。木曽路では、神戸市愛知県刈谷市の計2店でも同様の偽装が表面化している。<朝日デジタル>

 

まだまだ終止符を打てないでいる「木曽路」であるが、不正競争防止法でいくと法人の場合は「3億円以下の罰金」となる。料理長との場合は個人となり、「5年以下の懲役か500万円以下の罰金」となるようだ。

 

10月30日、木曽路は平成27年3月期 第2四半期決算単信(非連結)を発表した。売上高20,219百万円、営業利益△999百万円、経常利益△972百万円、四半期純利益△871百万円であったとしている。

 

有価証券報告書では、売上高が減少の中、1店舗の新規出店、2店舗の改装を実施。結果四半期会計期間末の店舗数は170店舗としている。

 

部門別の売上高の概況では当第2四半期では前期第2四半期対比では「木曽路」は0.2%増となっており、居酒屋の「素材屋」が19%減で足を引っ張っている。和食レストランの「鈴のれん」が続いて1.8%減となっている。

 

ここで、「木曽路」単体では0.2%増という結果が出ている。しかし、売上高0.2%増というのは不思議である。何故なら、有価証券報告書では「一部の店舗においてメニューの表示と異なった食材使用の影響により(省略)売上高が3億円減少した結果、前年同期と比較して売上高は微減となりました。」と報告しているからである。これは「木曽路」単体のことであるとしか筆者は読めないのである。全体として3億円が減少したのであれば、「前期」-「今期」が3億円でなければならない。しかし、全体の売上高の減少は△116百万円である。それとも「一部の店舗」の売上高であろうか…。それなら、もう少し分かり易く報告してほしいものである。連休明けにでも電話してみようと思うのである。

 

そんな中、業績予想は「下方修正」をしている。前回発表の経常利益は、1,600百万円から今回の修正は、870百万円となっている。前回予想から△730百万円減であり、厳しさが窺える内容である。

 

また、告発状に関しては、朝日デジタルにおいても「受理」とはなっていないので、行方は判然としない。