シーマはブライダルジュエリーのオーダー専門企業であり、分類は「小売業」だ。現時点の株価は13円というボロ株である。
シーマによる9月3日のライツ・オファリングの上場であるが、この増資手法を使う企業が増えてきた。「株主にやさしい」手法とされているが、企業に取っては株価の希薄化で不評を買う恐れを排除でき、且つ行使比率の問題があるもののある程度の資金調達が可能という便利な手法である。
ライツ・オファリングを説明すると、この新株には「売却、買付、権利行使」の3つの選択肢があり、割り当てられた新株を市場にて売却可能であること、割り当てられなかった投資家も買い付けることが可能であること、権利を行使し普通株にすることの選択枠が用意されている。
シーマの場合はノンコミットメント型であった。主幹事証券との契約締結がない資金調達手法を用いる事を指す。シーマが資金を調達する際に必要なのは、その行使比率であった。今回は66.54%%が行使され、払込額は13億2千万円強だった模様である。
さて、資金調達に余念のないシーマであるが、業績は通期連続で赤字である。今回のライツ・オファリングで得た資金の使途であるが、店舗の運営資金と新規出店資金に使われる模様だ。しかし、既存店舗における販売が振るわないため、赤字を垂れ流すのであり、新規出店で数の論理を展開しても今後の経営は如何なものかと筆者は考察する。
また、昨日に公表となった「株主の異動に関するお知らせ」において、筆頭株主が第2位であった「白石幸生」シーマ代表取締役会長になり、筆頭株主第1位であった「ホワイトストーン」代表取締役白石幸栄が第2位に、支配株主第3位であった「白石幸栄」が第4位となった模様である。
決算短信を見ておこう。直近の平成 年 3月期第1四半期決算短信(連結)では、経常利益△177百万円と振るわない結果である。四半期純利益は△43百万円となっている。通期の連結業績予想は経常利益△177百万円、純利益△134百万円と弾いている模様である。
短期的な動向としては、当座比率(支払能力)は24%となり、危険水域であるのが分かる。兎にも角にも資金調達が必要であった理由は財務の危険性に集約されている。
今後、目を離せないボロ株である事は間違いのない事実である。