どの企業も凋落していく様には兆しというものがある。省電舎のIRが株高を呼び、同日にその株価動向を伝える記事が配信された。しかし、それが虚偽だとしたらどうだろう。

 

記 事にはこう書いてある。「<マザーズ>省電舎が一時23%高 バイオガス事業を評価 」と題し、記事は続く、「(12時35分、コード1711)連日で大幅高となっている。一時、前日比244円(22.7%)高の1321円まで買われた。 6日付の日本経済新聞朝刊は「経済産業省が2030年時点の望ましい電源構成『ベストミックス』について、太陽光などの再生可能エネルギーの割合は 23~25%と原子力発電を上回る水準に設定することで最終調整している」と報じた。買い手掛かりに乏しい中、バイオガス発電事業の需要が高まると好感す る買いが入った。ただ上値では利益確定売りも出ており、買い一巡後はやや伸び悩んでいる。
同社は7日、バイオガス設備を事業会社に貸し出して実施する発電事業に関して、廃棄物処理会社に貸し出す場合は子会社が設備を完全に保有する従来方式から貸出先と共同保有する方式に切り替えると発表。再生可能エネルギーを手掛ける企業と改めて認識された。」〔日経QUICKニュース(NQN)〕

 

さて、問題の省電舎側の4月3日のIRには「Oakキャピタルを割当先予定とする第三者割当を決議した」との内容が発表された。Oakキャピタルは第三者割当の取得が商売の企業である。

 

こ の発表の中で、資金を調達する理由として挙げられているのが、「バイオガス発電事業」である。先のライツオファリングで調達た514百万円もこの「バイオ ガス発電事業」、とくに資金面(資金不足)から、「バイオガス・プラントを貸与して行うIPP事業_静岡案件」1案件のみに絞り込んでいると記載されてい る。

 

そして問題の4月7日のIRには、まったくありもしない事業スキームが書かれている。この「IPP事業の静岡案件」はすでに3月10日には、破綻していたのである。ゆえにIR時には、事業すら存在していなかったのである。

 

それは、取引相手である株式会社ゲネシスのHPを見たら一目瞭然である。http://genesisrecycle.hamazo.tv/c564522.html

ここで書かれていることが真実であろうと推察できる。省電舎のIRは虚偽でしかなかったのである。

 

困った省電舎は、4月13日に今までの経緯を誤魔化す内容のIRを出した。

 

「第三者割当による第 1 回無担保転換社債型新株予約権付社債及び第5回新株予約権の発行
の中止及び有価証券届出書の取り下げに関するお知らせ」がそれである。

発 行を中止、また取り下げる内容である。要するに、株式会社ゲネシスとの契約に基づいて行われていた、「バイオガス・プラントを貸与して行うIPP事業_静 岡案件」が当該企業との契約が解除となった為、中止せざるを得なくなったと言っているのである。元々、破綻している事業スキームで、ライツオファリングに て資金を得て、二匹目のドジョウの如く、第三者割当で再度、資金を得ようとしていたのである。それを如何にも契約解除が原因で「事業を中止をせざるを得な い」と言えるその口が恐ろしい。

 

悪の資金調達スキームも極まれりであり、許されるはずもない。まず、虚偽IRにて株価を操縦し、恐らくその情報はIR前から意図的に流されており、一部の人間は得をしているはずである。

 

虚偽IRに、株価操縦、取締役は当然、解任だ。また、当局はこれらを見逃してはならない。背後も探るべきだ。