籾井 勝人(もみい かつと)元米国三井物産社長、本社専務取締役、副社長と駆け上り、日本ユニシスへ天下り社長に就任。後に相談役、特別顧問を経て、NHK21第会長に就任。

 

この晴れやかな過去とは違い、現在は袋叩きにあっている。

 

なぜこれまでに叩かれるのか。それはこの御仁が過去も現在も「公私混同」の最たるものだからである。NHK会長職が1年経つも、キレる、ズレると、一般常識に欠けている。

 

朝日新聞を見てみよう。「NHKの籾井勝人会長(71)が就任してから半年。就任会見での政治的中立性が疑われる発言が原因で、国会議員や市民団体から繰り返し辞任を求められてきた。番組介入に対する現場の警戒感が解けない一方、山積の課題解決がなかなか進まない状況に、経営の「空洞化」も指摘され始めた。

「こっちは辞退するって言っているでしょ!」

6月初旬、東京・渋谷のNHK放送センターの一室。籾井会長が約140万円の期末報酬の返上を申し出た際、「仕事ぶりの査定を経ないままで返上はできない」と伝えた浜田健一郎・経営委員長に、いらだった様子で大きな声を出す場面があった。ある経営委員は「コミュニケーションを冷静に取れていない」と困惑する。

 

「籾井体制で息苦しさを感じている」と、制作現場の若手職員は打ち明ける。

籾井会長は繰り返し「番組への介入はしない」と明言してきた。ただ、昨年1月の就任会見で政治的中立性が疑われた「政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」などの発言を撤回したものの、考えを変えたとは言わない。今年の新年のあいさつではアベノミクスへの支持をほのめかし、定例会見ではお笑い番組における政治風刺についての考えを問われ、「個人名をあげて、色々お笑いのネタにするのはちょっと品がないんじゃないか」などと語った。」(朝日新聞デジタル)

 

前振りが長くなったが、この「籾井 勝人」は、過去記事で書いた、「現グローバルアジアホールディングス(旧アイビーダイワ)」の社外取締役であったのである。

 

このハコ企業、とてつもなくシブトイのだ。正に錬金術師を地で行く企業だろう。このことは、「FACTA」5月号で報じられている。

 

以下、「FACTA」5月号を見てみよう。籾井がアイビーダイワの社外取締役を務めていた当時、背後にいたのは、最後の仕手筋と言われた、「故西田晴夫」である。この一事をもってしても問題である。当時から、かなりのズレを醸し出している。

 

しかし、何故、今更この事が問題になったのか。それは、民主党の「後藤祐一」議員に追求され、「国会質問」に晒されたからである。

 

質問の2週間前にこのハコ企業は、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで警視庁と証券取引等監視委員会に強制捜査を受けていた。炙り出される過去、それは籾井にとって冷や汗ものであったに違いない。

 

「FACTA」は続ける、籾井は日本ユニシス当時も不祥事を起こしている。IT企業をTOBで取得しはいいが、買い付けから4日後には、過年度の決算の訂正が必要になったとの開示がなされた。所謂、「不正会計」が発覚したのである。架空循環取引にこのIT企業が深く関わっていたのだ。この架空循環取引に日本ユニシスも主要な参加企業の1社だったとある。買収先の不正に、「驚きで想定外のこと」とコメントしたとあるが、さすが籾井である。この架空取引に参加していて、ぬらりとかわす様は、一般人の感覚を遥かに超えた人物である。

 

籾井もさることながら、ハコ企業、「グローバルアジアホールディングス」も未だに生き延びていることを考えると、まさに籾井と共に「ゾンビ」である。

 

「籾井」と「グローバルアジアホールディングス」、共倒れになるのは何時の日か・・・。<敬称略>