東芝は5月22日、「第三者委員会の調査対象に関するお知らせ」と題した、IRを発表。

 

ことの起こりは、4月3日に発表された、「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」である。2013年度の一部インフラ関連工事進行基準に係る会計処理について、調査を必要とする事項が判明したと発表。

また、本件は当社単独の一部案件に係ることで、見積上の合理性という会計処理上の問題とし、「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に基づく第三者委員会の形態は採用せず、※特別調査委員会の体制にしたとある。(※第三者委員会より甘い体制)

 

穿った見方をするならば、3月期決算である東芝は、わざと4月3日を選んで、権利確定日後としたのではないかと考えてしまう。株主総会対策か・・・。

 

その後の5月8日、第三者委員会への移行を発表。(見積の合理性という問題としていたが、見込が甘かった。というのも更なる調査が必要となることが判明。)

 

5月13日、補足説明を発表。規模は3つの社内カンパニー(電力システム社)、(社会インフラシステム社)、(コミュニティー・ソリューション社)に及び、工事原価総額の過小見積りと それに伴う工事損失で過年度の修正額は、▲500億円強を見込むと発表した。(修正額は最終結論ではないとして、異なる可能性を示唆)

第三者委員会への移行は、全社的に網羅しなければならない程、規模が拡大した為である。

当初は、当社単独の一部案件としていたが、最初から全社的になると思わなかったのか?連結対象子会社含めになり、一部の時期がずれれば、皆が横滑りでずれ、それぞれの数字に影響が及ぶことが最初から分からないのかと言いたい。馬鹿げた話である。

 

5月15日、第三者員会の選任を発表。

 

そして、調査対象が発表となる。

 

①工事進行基準に係る会計処理

②映像事業における経費計上に係る会計処理

③半導体事業における在庫評価に係る会計処理

④パソコン事業における商品取引等に係る会計処理

 

かなりの拡大をみせているではないか。この規模であれば、一気に損失額が膨らみかねない。管理体制の杜撰さが浮き彫りとなった今、経営陣の責任も問われる問題に発展するだろう。

 

また、会計監査を担当した新日本監査法人もどこを見ていたのか・・・。半導体においては、在庫評価(資産価値)を高く見積り、減損処理を免れていたのではないのか・・・。

 

さて、意図的な行為はなかったのか否か。有価証券報告書が遅延する事態になれば、管理銘柄指定の恐れもある。

 

投資家は、くれぐれもご用心を・・・。まぁ、ウォールストリートには、「5月は逃げろ」という格言もある。逃げるが勝ちだ!