憲法改正へのカウントダウンが始まるのか。安倍首相は、「国民投票の実施は今年の参院選後になる」と述べている。各種新聞で報道された。

改憲が具体的な政治日程にのぼったのは初である。改憲の決意を高く評価したい。

憲法9条

(1)日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又(また)は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

(2)前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

この条文は、現実的ではない。日本に住んでいると、どうもピンとこないかもしれないが、国際社会、とくに先進国では自国を守るための武力を保持し、国、国民に何かあれば躊躇なく報復することを厭わないのが現実である。決して先制攻撃をしようとするのではなく、対処するのである。放置すれば抑止につながらない。

ごく最近起きた事件ではISによるパリ同時多発テロ事件であろう。フランス軍はロシア軍、アメリカ軍と提携し、シリアにあるISの指令室、弾薬庫などを空爆している。

テロの問題もそうだが、各紛争において、日本は金は出すが人は出さないと不平をかった過去がある。世界が急速に変化する昨今、「助けてもらうが、助けることは出来ない」では国際社会で孤立するのは明白である。南シナ海、東シナ海における中国の行動やウクライナ、中東におけるロシアの行動は国際法の尊守もあったものではなく、力の行使に出ている。対岸の火事ではすまなくなるのだ。

戦争はしてはならない。またするものではない。ただ、巻き込まれる場合がある。金持ち日本は金をせびられる。領土をせびられる。少年の喧嘩よろしくカツアゲされるのだ。抑止力がなければ、いうことをきかなければならない。国際社会でも子供の喧嘩でも基本は変わらない。弱いものは狙われる。

現時点まではアメリカの武力を傘にして雨をよけてきたが、ずっとこれからもと思うのは間違いである。このまま行けば雨に晒され、雪をかぶり、果ては氷雨に打ち付けれらる。自国は自分たちで守らなければならない。

日本はすでに脅威にさらされている。北朝鮮の核問題、中国の軍拡、米中2大国による覇権争いなど危険を孕む。

日本は戦争などはしない。しかし、強者によって巻き込まれることを想定しなければならない。巻き込まれたとき、初めて自国の力を思い知るのでは遅きに失することになる。