「失言」とは、《名・ス自》言ってはいけない事を、うっかり言ってしまうこと。また、その言葉。とある。

ついに、「TPP採決でお払い箱 舌禍の山本農相”11月9日辞任”シナリオ」という、お題を日刊ゲンダイに付けられる羽目にまでなった、山本農相。

ことの起こりは、山本農相が10月18日夜、衆議院の佐藤議院運営委員長のパーティーで、TPPの承認案などをめぐり、「強行採決するかどうかは、この佐藤さんが決める」と発言したことから、与党も含め批判の声が相次ぎ、公明党の石田政調会長からも「TPP、特に農政問題の責任者として、断じてあってはならない発言だと思う。辞任については、本人が決める話だろうと思っているので、現在のところ、それ以上、申し上げることはございません」と辞任するべきととれる発言まで飛び出す始末。

一時終息と見えたのだが、後に「冗談を言ってクビになりそうになった」と発言。あり得ないのが、今問題の農協問題でピリピリしているこの時期に、「JAの方々は農水省に来てくれれば、何かいいことがあるかもしれない」と発言し物議を醸しだした。

山本農相は、高知県2区、弁護士であり当選9回で石破派に所属。また、安倍首相とは座禅を一緒に組むなど親しい間柄だ。

今回の失言の嵐は、仏教でいうところの増上慢である。十分な力が無いのに自信の強い驕りが原因だ。何やら、勘違いをしているのであろう。その勘違いは、もちろん安倍首相と近い間柄ということに尽きる。

韓国の大統領問題ではないが、一国のトップの傍にいると自分も偉いと勘違いしてしまう人がいる。第一に農相のポストを石破茂前地方創生担当相が蹴ったがゆえに回ってきた派閥のイスなのだ。どうやら忘れているのでは?

<文中敬称略>