政府・自民党の農業改革案が発表された。結果は周知の通り強制力のない内容であった。主役の小泉進次郎農林部会長は、この結果に不満であろう。(記事参照)しかし、長きに渡り全農改革を前進させる為の苦労を労いたい。

不満の根源は、自民党農林族という身内への譲歩、全農の反発ではなかろうか。族議員の反発は致し方ないと言えば、元も子もない。しかし、譲歩しながらでも改革を迫るという気迫が大事である。

JA全農も肝を冷やしたはずである。何もしないで引くよりは恐怖を与えただけでも前進である。また、いつまでも続くシステムはないのだ。ITが支配する世の中で中間詐取は必ず崩れ去る。問題は、農家の人達が高齢であるという現状が、中間詐取システムを生き延びさせている。

この改革は、もともと政治での対応が難しい。団体は必死で抵抗をするし、裏からの手も回る。進次郎氏は、「いわゆる抵抗勢力がどんな手法を使うか、政治の戦場とは何かがよく分かった」と述べている。進次郎氏も政治家として何歩も前進できたはずだ。落とし所の結果から逆算して、あらゆる抵抗勢力とバックアップしてくれるであろう味方も計算しながら、誰を敵として吊るし上げ、望んだ結果を残す。そんなタフな政治家になる時、進次郎首相が誕生するのではないかと期待する。