東証マザーズに上場する「フルッタフルッタ」、旧社名は「クプアス・インターナショナル・ジャパン」。アサイーをはじめとするアマゾンフルーツの食材や冷凍食品をスーパーやコンビニに販売している会社だ。(上場:2014年12月17日)

業績が不振な企業を探し出すため、四季報にてスクリーニングをかけて抽出した。検索条件は「今季予想ROE(%)」、これだけだ。最大値を「0」にして検索をかけると一発で今季予想ROE(%)のマイナス群が抽出される。

ROEとは『Return On Equity』の略で、訳すと自己資本利益率となる。株主の拠出した自己資本を用いて、いかに株主のために利益をあげたかという投資効率を測る指標である。

では、フルッタフルッタ(以下フルッタ社)の今季予想ROE(%)はというと、-449.54%でダントツの第1位(2018/4/13終値)。因みに実績値である前期実績ROE(%)においても-542.20%で2位となっている。

また、「継続前提に重要事象」と経営不振企業への投資家の注意喚起も出されているので注意が必要だ。

業績をみると、上場後初の平成27年3月期の決算は経常利益が349百万円となり、当期純利益も201百万円で黒字で終わるが、この時の営業キャッシュ・フローは△639百万円と大幅なマイナスであった。

この営業キャッシュ・フローだが、確認すると前々期の平成25年3月期(非上場時)は△18百万円となっており、前期の平成26年3月期(非上場時)も△74百万円となっていた。この事実で上場前から本業での儲けが出ていないことが判明した格好となる。

確認が出来た3期分のマイナス営業キャッシュ・フローが示した、その後の決算は…。

平成28年3月期、平成29年3月期と連続して営業利益、経常利益、最終益とも赤字に転落し、キャッシュ・フロー計算書を見ると平成28年3月期の営業キャッシュ・フローが△1,194百万円とマイナス幅は増え、平成29年3月期は△224百万円と縮小するもマイナスには違いなく、これまで見てきたように過去のキャッシュ・フローの正確さが分かる。

そして、平成30年2月13日に発表した第3四半期(本決算:5/15予定)も営業利益の時点で赤字を計上し、業績の下方修正を発表。最終益△290百万円の予想から△490百万円に赤字が拡大する見通しとなった。

「上場後、フルッタ社に何があったのか!?」

では一体何が起こっているのか。フルッタ社の事業部門(セグメントではない)は3つある。①NB(ナショナル・ブランド)事業部門②AFM(アグロフォレストリー・マーケディング)事業部門③DM(ダイレクト・マーケティング)事業部門となっている。

 売   上  NB事業部門  AFM事業部門  DM事業部門
平成27年3月期 1,989 1,031 323
平成28年3月期 1,486 850 233
平成29年3月期 888 569 161

(単位:百万円)

平成30年3月期は本決算(2018/05/15予定)がまだなので省いたが、各事業部門とも売上は減少の一途だ。なぜここまで売上が落ちるのか?

その理由は過剰な棚卸資産である。終始過剰な状態であり、これが流動資産を増やしている面もあり、流動資産>流動負債となっている。

この過剰な棚卸資産が店ざらしになれば、廃棄しなけらばならない。廃棄になれば流動資産<流動負債となり、流動負債の方が多くなってしまう。

そこで、廃棄ロス縮減の為には安売りに走らなければならないこととなる。ゆえ、営業利益の時点で赤字が発生となるのだ。

さて、5月15日予定の本決算は如何に、問題の巣は流動資産にあり。

つづく…