監査法人は財務諸表に対する意見表明ができないほど、会計記録が不十分であったり、監査証拠が入手困難である場合に限り、「監査意見不表明」とする。監査意見不表明は監査報告を提出しないのではなく、監査意見を表明しない旨を記載した報告書を提出することになる。
過去にも沢山の企業が監査意見不表明を回避するために監査法人を異動してきた歴史がある。こうなると立派な「ハコ企業」と揶揄されることになってしまう。そして、ここに資金ブローカーや怪しい人たちが集まり始めると「揶揄」ではなく、本当のハコ企業に昇格してしまうのである。
また、監査法人の方も業績が怪しくなり始めると、監査報酬が回収ができなくなるので敬遠し始める。そしていよいよ財務諸表が破綻すれば、意見不表明の前に”ごめんする”ということになる。今までお金を支払ってもらった企業への意見不表明は重いからだ。
さて、この度のフルッタフルッタよる監査法人の異動の理由だが、「当社の経営環境の変化に伴う監査工数の増加を理由に契約更新を差し控えたい旨の申出を受けたことから…..(略)」と発表。要するに監査法人に契約の更新を断られたというわけである。
監査工数が増えても通常は契約を更新するはずではあるが三優監査法人は「これ以上は無理があり、お世話になりました」ということであろうと推察する。
フルッタフルッタは2016年より、4期連続赤字を継続し、「継続前提に疑義注記」とされている。これは投資家への注意喚起である。廃棄ロスから始まったとされている下降は依然として上昇を描けず、前年比で赤字を拡大させてしまっているのが現状である。
業績が向上するのか、倒れるのか。債務超過の現在、全ては資金繰りにかかっている。