サンエー・インターナショナル 3605
10月14日、東京スタイルとサンエー・インターナショナルは、株式移転方式により来年6月1日に共同持ち株会社「TSIホールディングス」を設立し、経営統合すると発表した。
両社が来年1月27日にそれぞれ開催する臨時株主総会に統合を諮る。東京スタイルとサンエーはTSIの完全子会社になり、5月27日にそれぞれの東証上場が廃止され、6月1日にTSIが東証一部に上場する。TSIの会長にはサンエーの三宅正彦会長が、同社長には東京スタイルの中島芳樹社長が就任する予定。
サンエーインターナショナルと言えば、店員が最長2週間着ていた服を“新品”として組織的に販売していた不祥事が、2007年に発生。直後、三宅正彦社長(当時)にインサイダー取引疑惑が浮上し、三宅社長は退任したはず。いつのまにか、実権をもつ会長に復帰していたようだ。
同社は、1949年に正彦氏の父である三宅敏彦氏が大阪市内に創業し、05年に東証1部に上場。とはいえ、三宅家関連の持ち株比率が少なくとも4割を占め、「上場後も一族経営の形を堅持している典型例」。「サンエー社の社員にとって、三宅家の存在はアンタッチャブル。三宅家の人たちに異を唱えることは、会社にいられなくなることを意味します。社内の情実人事、女性社員に対してのパワハラのウワサも絶えなかった」と明かす元幹部もいた。
サンエーについては、国内最大手のアパレルチェーンのオーナーが執心で、つねに買収に機会を狙っていたという消息筋の情報もあった。今回の統合は、防衛および業界での生き残り策の意味合いもあると推測されるが、これを期に、業界全体の「近代化」を進めてもらいたいと願う次第である。