スリープログループと言えば、パソコンの出張サポートや導入支
援、量販店での販売支援、コールセンター運営やパソコン学習支
援などのITサービスを主力とする、業界のトップランナーであり、
パソコン教室のAVIVAを買収したことでも有名であり、弱冠35歳の
高野研氏が、創業者兼オーナーで、米国の上場企業が、何度も買
いに来たとわれたこともある、売上高100億円を超える東証マザー
スの注目株であった。同社のマザース上場は、2003年11月。ベン
チャーが争って上場を競っていた時期である。
18日のリリースで、高野氏が突然辞任したことが発表され、同時に、
「第三者調査委員会設置に関するお知らせ」が発表された。これに
よると「社内調査(現在調査中)を行ったところ、当社代表取締役
であった高野研による不正行為の可能性が確認されたものでありま
す。」とのことである。内容が不明であるが、尋常でないことは
確かで、新興市場銘柄の不祥事がまたもや露見した様である。他
にも同様なことがあるのではないかと思わせ、死に体の新興市場
に、追い討ちを掛けるような感がある。この経営者は、上場して
から不正に手を染めたのであろうか。むしろ、早く上場をするた
めに、不正を続けてきたという観測もできるのではないか。
かつて上場していた半導体製造装置関連の上場企業は、売上規模を
拡大し上場を早めるため、取引先の超大手電機メーカーの副社長に、
賄賂としてゴルフ場の会員権を渡し、その副社長も多額の発注を
して売上増に協力したという噂があった。出来心で不正をしたので
はなく、確信犯である。インチキ経営者が、不正を続け上場をした
のである。かような経営者は、糾弾すべきであり、退場を迫るべき
であろう。上記の半導体装置メーカーは、同業他社の経営陣を騙
し、買収して更なる拡大を図ったが、結局、民事再生を申請し、
株式市場から退場したのが結末であった。自業自得であるが、この
ような企業は、枚挙に暇がないと断じてよいと考える。