上場企業の不祥事は後を絶たない。企業不祥事は、日本の企業文
化の大きな部分を占めるのである。新卒入社以来数十年同じ企業
に勤め、役員、社長になっていくのである。隠蔽体質が染みこん
でいるのである。欧米系企業は、数年のサイクルで転職、昇進を
繰り返していく。不正があれば、後任者が見つけて、告訴するで
あろう。従って、不正をしないという心理的ブレーキが掛かるの
である。日本企業と欧米系企業の企業体質の大きな違いである。
懐かしい上場企業の不祥事を振り返ってみよう。数が多いので
数回に分けて掲載することになる。これらの企業群は、企業体質
が大きく変わり、二度と不祥事を起さない企業になったのであろ
か。監視を続けていきたいものである。以下、証券コード順。
●1820 西松建設
・2009年3月
民主党小沢代表の第一秘書が逮捕。裏金を政治団体経由で迂回献
金した事を知りながら献金を受けた容疑。小沢氏は潔白を主張。
立件できるか注目。自民党にも広がる予感。政局は混沌。
小沢氏の秘書のみ起訴。政治家には捜査の手は及ばず。
・2009年1月
海外で裏金作り。さらに不正に国内に持ち込んで、外為法違反容
疑で副社長が逮捕。やっぱり建設業界ってグレーな人間が多いの
かなと思わせる事件でした。裏金がどこに流れたかも明らかにし
て欲しい。こんなんでも東証1部。上場する資格なし。
国沢前社長も逮捕。70歳で犯罪者に転落。人生の晩節を汚しま
した。国内に持ち込んだ裏金は、不正に政治献金していた。
●2211 不二家
・2007年1月
消費期限切れの牛乳を使用してシュークリームを製造。2006
年11月の時点で問題を把握していたにもかかわらず、クリスマ
ス商戦が終了した年明けに発覚。それも内部告発を受けたマスコ
ミによるもの。その直後から、小さな不祥事が多数発覚。ブラン
ドは完全に失墜し、100年の歴史を汚した。2008年11月
山崎製パンによって子会社化された。
●2284伊藤ハム
・2008年10月
シアン化合物を含んだ井戸水を使って製造した製品を流通させて
しまい自主回収。大きな問題点は、検出から公表まで1ヶ月近く
もかかったこと。さらに連日、伊藤ハムが製造した製品で異臭や
味がおかしいといった問題が発生。
・2005年12月
輸入豚肉の差額関税制度を悪用。関税法違反に。脱税額は10億
近く。
●2282 日本ハム
・2002年8月
関連会社が輸入牛肉を国産牛肉と偽装。BSE対策の国産牛肉買
い取り制度を悪用。同様の問題を起こした雪印食品は清算。さら
に買い取り申請を取り下げた牛肉を無断で焼却。隠蔽工作をした。
●2288丸大食品
・2008年11月
有害物質メラミン入り商品問題について百済社長が謝罪。その際、
問題発覚後に社長自らが一度も記者会見をしなかった理由につい
て、「特別にどうってことはない、といえば怒られるかもしれな
いが、健康被害がないと想定できた」と、食品会社の経営トップ
としての資質を問われる発言をした。