不当景品類及び不当表示防止法という法律がある。「景品表示
法」や「景表法」とも呼ばれる。不当な表示や過大な景品類を
規制し、公正な競争を確保することにより、消費者が適正に
商品・サービスを選択できる環境を守ることを目的としている。
●内容についての不当表示 優良誤認(4条1号)
①商品又は役務の品質,規格その他の内容について実際のもの
 より著しく優良であると一般消費者に誤認される表示
②競争事業者の提供する商品又は役務の内容よりも自己の供給
 するものが著しく優れていると誤認される表示。
●取引条件についての不当表示 有利誤認(4条2号)
①商品又は役務の価格その他の取引条件について,実際のもの
 よりも取引の相手方に著しく有利であると誤認される表示。
②競争事業者の供給する商品又は役務の取引条件よりも自己の
 供給する取引条件のほうが,取引の相手にとって著しく有利
 であると誤認される表示。
●商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認
 されると認めて公正取引委員会が指定する表示。
 
 誤認されるおそれのある表示 (4条3号)
現在指定されているもの
①無果汁の清涼飲料水等についての表示
②商品の原産国に関する不当な表示
③消費者信用の融資費用に関する不当な表示
④不動産のおとり広告に関する表示
⑤おとり広告に関する表示
●罰則
消費者庁は、景品類の制限や禁止規定に違反し、又は不当な表
示をした事業者に対し、その行為の差し止めや、その行為が再
び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施
に関連する公示その他必要な事項を命ずることができる(これ
を「措置命令」という)。措置命令は、「当該行為がすでにな
くなっている場合においても、することができる」としている。
措置命令に不服がある場合は、不服申立て(異議申立て又は
取消訴訟)をすることができるが、不服申立てをしない限り、
この措置命令は確定し、確定後その命令に従わない場合、事業
者の代表者等は2年以下の懲役又は300万円以下の罰金が、また、
当該事業者は3億円以下の罰金が科せられる。
●事例
みのもんた氏のCMで有名なタマホームであるが、当時の公正取
引委員会から宣伝に使用した文面に対し、排除命令が出されたこと
がある。
「注文住宅着工棟数2年連続日本一」という表記に、偽りがあっ
た。この日本一、実は一部の地域限定での評価のようで、全国規模
で考えると実質、10位くらいであったとのことである。
みのもんた氏は、不二家埼玉工場で2006年10月と11月にシュークリ
ームを製造する際に、賞味期限が切れた牛乳を使用していた事件の
際、「もうはっきり言って、廃業してもらいたい」と番組の中で伝
えたことがあったが、自身が出ていたCMについては不問なので
あろう。
タマホームは1998年、福岡市で設立し、05年に本社を東京に
移転。一部上場企業との訴訟沙汰もあった有名企業である。