●東京日産コンピュータシステム(3316)
証券取引等監視委員会は3月8日、有価証券報告書に虚偽の記
載をしたとして、システム開発の東京日産コンピュータシステ
ムに300万円の課徴金納付を命じるよう金融庁に勧告した。
外部委託した販売管理システムの構築計画が頓挫し、本来は資
産計上できないにもかかわらず、適切な処理を行わず2008
年3月期の連結最終赤字額を実際より小さく記載していた。
●コンクリ橋梁談合、8社に課徴金16億円命令 公取委
国土交通省や福島県が発注した強化コンクリート製橋梁工事を
巡る入札談合で、公正取引委員会は3日までに、独占禁止法違
反(不当な取引制限)でピーシー橋梁(大阪市)や川田建設
(東京都北区)など8社に総額16億9512万円の課徴金納
付命令を出した。
8社は、公取委が2004年10月に出した排除勧告を不服と
して裁判の一審に当たる審判で争ったが、昨年5月に独禁法違
反を認定する審決が出たため納付に同意した。
●デザインエクスチェンジ(4794)
“世界のクロサワ”の脚本資産価値を過大計上するなどした
有価証券報告書を提出したとして、イラストや写真をネット販
売するデザインエクスチェンジが2月上旬、金融庁から課徴金
納付命令を受けた。
『羅生門』や『天国と地獄』などの名作計71本が“価値無し”
とされ、黒沢ファンにとっては何とも胸が痛む処分となったが、
規制当局の価値基準は異なっていた。粉飾に至る過程では中国
ビジネスでの失敗や、後に経済事件で逮捕される“闇の紳士”
も登場するなど、一筋縄ではいかないストーリーが展開された
ようだ。
<主文 次の通り課徴金7 件を国庫に納付することを命ずる>
<納付すべき課徴金の額 金1794万円 
 納付期限 平成23年4月5日>
2月4日。有価証券報告書に虚偽記載が認められたとして、
金融庁長官名で金融商品取引法に基づく課徴金7 件納付命令が
下された。
20、21年の各12月期有価証券報告書と22年3月第1四半期
報告書で、業績や財務状況の悪化を隠すため水増しを行ってい
たとされる。特に注目されたのは、21年12月期の連結貸借対
照表で、連結純資産額が当初8億2700万円だったが、
実際は4億3500万円の赤字で、約12億円も過大計上され
ていた。
約12億円の過大計上分のうち、約7億7000万円分がデザ
イン社が保有していた故・黒沢明監督の脚本の著作権資産だっ
た。デザイン社は、黒沢監督の生誕100年にあたる22年、
国内外で開かれる記念イベントや黒沢作品のリメークによる収益
を業績拡大につなげようと計画。19年4月に黒沢監督の息子、
久雄氏が経営する会社から黒沢コンテンツの著作権などの取得
と共同事業化で合意した。久雄氏を社外取締役に招き、
20年1月には脚本著作権の50%を、18億円で買い取ると
合意し覚書を作成した。著作権全体では50~90億円の価値
があると公認会計士から評価算定され、デザイン社側の業績を
目論んでいた。だだ、黒沢コンテンツ担当の役員が20年4月に
退社し、コンテンツ事業が回らなくなっていた。
「デザインエクスチェンジ」(東京都目黒区)は、平成5年の
設立。デザインを必要とする国内外の顧客に幅広い商品を提供
して業績を拡大し、12年には東証マザーズに上場を果たした。