「原子力損害賠償支援機構法」の成立を受けて
原子力損害賠償支援機構法
東電の支援法が成立した。ここで考えたいのはこの巨大企業は政治に多大な影響力を持つ企業という事だ。そしてそのつけを支払うのは国民である。
政治家自身もしくは党への献金と接待漬けで、こと東電の事に対して政治の答えはYESしかない。それだけ東電は政治に対し金をばら撒いてきた。確実にロビー活動の成果が今回の法案成立の一因になっている。
恐るべきは国が一企業に対し賠償請求のケツふきをし、それを東電は電気料金にONして国への借金を返すという図式だ。これで何かこの企業の体質に変化が起きるのか。
震災に対しての賠償はしなければならない、が方法が間違っていると言う事を言いたい。まず東電を国が一時にせよ保有し、震災の賠償をして新たな企業として再建するというのが当たり前ではなかろうか。そうしない事にはこの隠ぺい体質は続き、何も変わらないのだ。
また今後、発電と送電を分け、企業に競争をさせ、価格が市場に転嫁され、電気料金が安くなるという仕組みの試みをするべきだとの議論も当分の間、これで潰えた。
菅首相の言う、買い取り法案も今やらなければならない理由がはっきりしない。今日本はそれどころではないのだ。原発のつけは完全に日本を失墜させた。食品への打撃は未曽有の有事だ。稲わら、牛、コメ、まだまだ今後出てくることは必至だ。この連鎖は止まらない。ゆえ全ての食品が対象となりえる。鶏、豚、またこれらの餌が影響を受けてる事は誰でも考え付く事だ。そのうち国民は日本の生産物を買わなくなる事も見えてるストーリーだ。実際、コメの卸業者は九州のほか、西日本のコメの獲得にやっきになっている。しかも古米だ。
だからこれらの事を今、国は全力を挙げて向かい合わなければならない時に電気の買い取りをどうこうと言う議論自体が不必要というものだ。そんなものは原発がランディングを終えての事だ。(このままでは本当に終わるのか否かも分からない)
今見えるストーリーは食は外国産に向かい、日本製品は海外では遠慮され、日本人自体を諸外国は敬遠する。
どこまでも最悪の事態を想定し、その阻止を行うのが政治である。主権者から選らばれた政治家が頭も使わず、慣れ合いを慣習とし、国民をばかにするのであれば日本の末後は見えている。
結論は、政治家を食い荒らしている(政治家は食い荒らされている事に疑問を感じたことは皆無)一企業を国が国有化出来ず、東電のまま(現状のまま)存続させると言う事実がそもそもおかしいと言いたい。これでは東電解体はあり得ず、そのことによって新たな産業(発電屋と送電屋)も生まれず、雇用も生まれないという最悪の連鎖がすでに始まったのだ。ピンチをチャンスにと今までやって来たのが日本ではないのか。またこの結果を得て、他の電力会社が含み笑いをしている姿が透けて見える。