太陽光発電に群がる「疑義注記」の企業群。

疑義注記とは、正確にいうと「継続企業の前提に関する注記」となる。所謂、ゴーイングコンサーン(継続企業の前提)に対して危険信号が伴う場合、投資家に向けて「注記」することが義務付けられている。

さて、ジオネクスト(以下、ジオ社)が8月21日に発表した「連結子会社における太陽光発電所に係る権利等の譲渡に関するお知らせ 」と題するIRであるが、簡潔に言えば、「ジオ社」の子会社と「コネクトホールディング」(東2  3647 以下、コネクト社)の子会社との間で、権利の譲渡が行われると書かれてある。

ジオ社は、新規の太陽光発電施設19カ所を保有、認可取得している。御多分にもれず、「太陽光発電」へ企業の命運をかけている。

最後の頼みの綱である「太陽光発電」だ。しかし、この商売、そうは問屋が卸さないのである。

まず、「太陽光発電」には、最終エンドユーザーへの売電も考えず、ID(各電力会社からの認定)だけで、転売されているのが実情であり、また売り抜けれないケースも多いのだ。正に不動産売買の様相を呈しているのであるが、この市場は急速に落ち込んでもいる。

それでも、継続の前提に疑義がついた会社は、一時凌ぎで金を作ろうとする。そして、太陽光発電施設(ID権利)の転売が「打ち出の小槌」として利用される。

「売却で逃げ切る。」これが、ジオ社のスキームである。しかし、関係者によるとジオ社は、以前からコネクトホールディングへ19カ所の内、14カ所を売却予定だった。コネクト社から内金を既に貰っているが、残金が期限に支払われなかったという。

そこへ来て、この度のIR発表である。

コネクト社に資金が出来たのか急展開を見せたIRとなったが、先の関係者は、この度は大丈夫だという。

しかし、コネクト社も赤字転落で両社は、太陽光発電にお互いの命運をかけている。一方がこければ、他方は、地獄の1丁目である。

譲渡金額は、14 億 5 百万円(税別)という。関係者は、この権利の施設をリコーリースを間に入れて、最終的なエンドに「リース」をかけるらしいのだ。ここで、コネクト社も利益が入るという寸法である。

これをババ抜き権利と言わずしてなんというのか。

このスキームを仕切っているのが、「山田恭太」である。現在は、筆頭株主の「リゾート&メディカル」(以下、リゾート社)を陰で操る人物である。リゾート社の以前の会社名は、「クオンツ」という。クオンツは、上場廃止になった企業であり、ゾンビの如く今に至る。

現在の社長は板橋光一であるが、取締役に山田恭太の親族である、山田哲嗣がいる。

また、山田恭太はジオ社の株を売り抜けられず、苦戦中という。ここへ来て株価も100円を切る勢いだ。

株価を上げる材料が、この度の権利譲渡であるのは間違いない。さて、約束の決済日である、8月31日にコネクト社から資金が払い込まれるか否かが、ジオ社の明暗を分けるであろう。

さて、山田恭太は逃げ切れるのか。<敬称略>